【書評】ディズニーCEOから学ぶサラリーマンスキル【ディズニーCEOが実践する10の原則】
フォックス社を買収し、名実ともに最大の映画会社になったディズニー。
映画だけでなく、ホテル・テーマパーク・グッズ販売など、超巨大なエンターテインメントビジネスを支配する会社です。
そんな会社のトップに立っている人って、どんなメンタルなんでしょう。
本日は、ウォルト・ディズニーカンパニーの会長・前CEOのロバート・アイガー氏の著書「ディズニーCEOが実践する10の原則」をご紹介します。
本書は、
- ディズニーが好き!
という人にははもちろん、
- 別にディズニーは好きじゃないけれど(あるいは苦手なんだけど) 、ビジネスパーソンとしてもっと成果を上げたいと思っている
そんな人にもおすすめの1冊です。
それは、本書では、普通のサラリーマンがロバート・アイガー氏から見習うべきポイントがたくさん書かれているからです。
彼は、「ディズニーのCEOになろうとしてなった」というわけでは決してなく、結果的にディズニーのCEOになっていた、という人物です。
本書では、ロバート・アイガー氏がこうしたご自身のキャリアの中で、いかにして一大エンターテインメントカンパニーのトップに上り詰めたのか、時系列をもとに当時を振り返っています。
この記事では本書の解説と、一(いち)サラリーマンとして、学んだ教訓をご紹介します。
【書評】ディズニーCEOから学ぶサラリーマンスキル
どんな環境でも学ぶ力
ロバート・アイガー氏は、決して裕福ではない家庭に生まれました。
そこで、自分のお小遣いは自分で稼がなくてはならず、15歳のころには学校の用務員として働いていたそうです。
学校の教室を清掃し、机の下に張り付いているガムをはがして回る。
こういった単調とも思える仕事から、根性が鍛えられ、さらには「単調な作業に慣れた」と書かれています。
ABCテレビに入社してからは、上司のパワハラに耐えながら「妥協しないこと」や、お天気番組では「悪いニュースの伝え方」を学んだ、と述べています。
忙しい時はだれしも、日々の仕事に追われ、毎週を乗り切るので精一杯・・・となってしまいますが、
「今日、自分は何を学んだのだろうか」
と振り返ってみると、自分の中で積み上げになって行くんだろうなあ、と感じました。
前向きである
妥協を許さず、そして成果を出すけれどパワハラな上司の元で働いていました。
その上司は、スタッフたちが一生懸命作り上げた番組構成であっても、自分が気に入らないと
「やりなおせ!」と言って、いわばちゃぶ台返しをするタイプの上司。
その上司についてこんな風に振り返っています。
(以下、引用)
ルーン(そのパワハラ上司)流のやり方を受け入れ、彼の良い面をやる気の素にし
悪い面をあまり気にしないようにした。
私はもともと立ち直りの早い性格だったし、ルーンと働いたことで一層立ち直りが早くなった。
さらに、彼はこんなことも振り返っています。
(以下、引用)
あれほど犠牲を払わなくてもかなりの成果をあげられたはずだったと気づいたのは、後になってからだった。
普通のサラリーマンだったら、
- 「また、大変な目にあってしまったな・・・」
なんて思ってしまう状況です(ロバート氏も思っていたんでしょうけど)。
また、前向きな人であってもせいぜい、
- 「この人のことを反面教師にしよう・・・」
ぐらいのものではないでしょうか?
ロバート氏は、そんなパワハラ上司の良い面を見ること、悪い面を自分だったらどう変えるか?を徹底的に考え、そこから自分の学びにつなげていったのです。
失敗しちゃったことを「失敗した!」と認めて、口に出す。
仕事で失敗してしまったときに、失敗を認める事って辛かったり悔しかったりします。
ましてや、「失敗した」と口に出して認めることはなおさらです。
でも、本書を読んでいて気が付いたのは、ロバート氏は「失敗した!」ってことを口に出すし、チームの仲間にも「俺たち、失敗したよな!?」って言うんです。
(以下、引用)
私も立ち上がって、出演者とスタッフに一言声をかけた。
「うまくいかなかったけれど、みんなで大きなことに挑戦できた。
リスクを避けて通るより、たまには失敗しても大きなリスクをとる方がいい。」
それは私の正直な気持ちだった。
失敗を認め、言葉にして、チーム仲間と共有する勇気ってなかなか持てないし、あまりそういったタイプの同僚や上司を見たことがなかったのですが、
自分自身もチームも成長するために、素直に失敗を認める事って大切なんだろうな、と感じました。
最後に
本日は、ディズニーCEO(当時)から学ぶサラリーマンスキルをご紹介しました。
ディズニーのCEOなんて、まったく想像ができない世界ですが、ロバート氏にも僕たちのような若手時代があったんだなあ、って思わせてくれました。
個人的には、2020年買ってよかった本の上位に入る1冊です。