【食品業界】クレームを受けたら品質保証が最優先でやるべきこと【お客様の証言が鍵です】
お客様から、商品クレームをいただいてしまった!
そんな時には、速やかにその発生原因を特定しなくてはなりません。
発生原因を特定できると、その不具合に拡散性があるかどうかわかるからです。
特に、食品メーカーの商品不良は、お客さまの命に関わる可能性もあります。
では、不具合品(不良品)が見つかった時には、どのように発生原因を調査をすればよいのでしょうか。
クレームを受けたら品質保証が最優先でやるべきこと:
お客さんから発見時の状況を詳しく教えてもらう
まずは、お客さんから不具合が発見された時の状況をしっかりと伺いましょう。
このお客さんからの情報は、以降の調査の「前提条件」となります。
前提条件が間違っていると 正しい調査ができず、不具合が発生した原因の特定に時間がかかってしまいます。
- 製品の名前・賞味期限やロット
- 発見した日時
- 購入日時
- 購入した場所
- どのような不具合があるのか(異物、異臭、味がおかしい、腐っている、等)
このような情報をなるべく具体的に確認させてもらいましょう。
特に、「異物が混入していた」というクレームであれば、その大きさ・形・色・異物が入っていた場所を具体的に教えてもらうことがとても大切です。
例えば、
おにぎりに異物が入っていた!
というお申し出よりも、
ウメおにぎりの、うめぼしの中に硬い異物が入っていた!
というクレームであれば、異物はウメの種の一部ではないか、という推定が可能になります。
そして、可能であれば不具合品は送ってもらい、実際に現物を確認しましょう。
よくあるのが、
プラスチックの異物が入っていた!
というクレームであったにもかかわらず、異物を観察すると、植物の種だったりすることがあります。
また、
金属の異物が入っていた!
というクレームでも、実際に観察するとお客さまの歯の詰め物だったりする場合があります。
このように、クレームを受けた時にはその状況を詳しく確認すること、そして不良品の現物を実際に確認することが大切です。
生産工場や原材料メーカーへの調査依頼
お客さま(お申し出主)から情報をいただいたら、それをもとに生産工場や原材料メーカーに対して調査の依頼をしましょう。
この時には必ず製造ロットや不具合品の写真を共有し、状況を正しく伝えましょう。
そして、調査をする時には、
- なぜその不具合が起こってしまったのか
- その不具合は頻発するものなのか、それともめったに起こることではないのか
- 生産中のどんな不手際によって発生してしまったものなのか
- その不具合は、今回クレームを受けた1個だけなのか
- その不具合は、人体に影響があることなのか
これらを確実に調べ、データとともに説明してもらいましょう。
この時に、次はあなたがお客さまに説明するということを忘れてはいけません。
つまり、あなた自身が納得しお客さまに説明できるようになるまで工場や原材料メーカーから説明してもらいましょう。
もし、どうしても調査に時間がかかるようであれば、お客さまに連絡し調査の進捗として一次報告をするなどしましょう。
お客さまへの報告
調査が完了したら、お客さまに説明するための調査報告書(顛末書)を作成しましょう。
この調査報告書(顛末書)には、
- お申し出内容
- 発生原因
- 是正処置(今後の対策)
これらの内容を含めて文書を作成し、二度とこのような商品が発生しないように管理すること(つまり、今後は安心して商品を買ってください!)をお客さまにお伝えしましょう。
また、この調査報告書(顛末書)は会社を代表して提出するものなので、内容に間違いがないかしっかりと確認しましょう。
調査報告書(顛末書)がしっかりとしたものであると、
- お客さまの信頼を回復することにつながる
- 「こんなにしっかり調べてくれるなんて!」と喜んでくださる
このようなすこしでも良いクロージングに向かうことができます。
調査報告書(顛末書)の書き方例
調査報告書(顛末書)の書き方例をご紹介します。
会社で決まったフォーマットがある場合には、そちらを使いましょう。
調査報告書(顛末書)
この度は弊社製品 うめおにぎりの中に異物が混入していた件につき、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。
ここに調査報告書(顛末書)を提出しご報告するとともに、お詫び申し上げます。
記
- お申し出内容:製品うめおにぎり ロット123-456 の中に、異物が混入していた。
- 発生原因:いただいた現物を確認したところ、異物はうめの種(たね)であることがわかりました。
そのため、うめ供給業者の生産工程における「種(たね)を除去する工程での不具合が原因であると考えられました。
当日の生産記録を確認すると、種を除去する工程の担当者が新任の作業員であり、手順が正確に理解されていないことが原因であると考えられます。- 是正処置:新任の従業員に対して十分な教育が行き届くようマニュアルを準備いたしました。
また、種の除去工程を適切に行わないと異物混入のリスクにつながってしまうということを、工場内のすべての従業員に周知し、作業の徹底を行うよう指導いたしました。
この度は弊社製品によってご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。
今後はこのような不具合を繰り返さぬよう、より一層品質管理を徹底してまいります。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
以上
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